スポンサーリンク

こんにちは、薬にちょっと詳しいとらです。

 

先日、あの国で唯一まともだったと言われる金正男氏が暗殺されたというニュースが流れ、

先ほど殺害された男性が金正男氏であると正式に確認されたようです。

殺害に使用された薬物は「VXガス」と呼ばれる毒である可能性が高くなってきました。

VXガスとは一体なんなのでしょうか。私たちの身の回りにあるのでしょうか。すこし調べてみました。

 

 

スポンサーリンク

VXガスとは何か

サリンと同様、コリンエステラーゼ阻害薬と言われる神経毒であり、有機リン系の化合物です。

揮発はしづらく油っぽい液体として存在します。

油っぽいということは人の体にもなじみやすいとのことですので

皮膚からも吸収されます。

吸ってもだめ、触ってもダメ。

オウム真理教も以前使っていた物質です。

 

どのような症状を起こすのか

アセチルコリンは神経伝達物質といい、神経間の情報を伝える物質の一つです。

筋肉を収縮させるために必要であり、筋肉収縮の際に適切な濃度に保たれています。

 

コリンエステラーゼとは、アセチルコリンを分解する役割を持った酵素であり、

コリンエステラーゼ阻害薬はその名の通りコリンエステラーゼの酵素の働きを妨害します。

 

コリンエステラーゼ阻害薬が存在すると神経シナプス間のアセチルコリンの濃度が上昇していきます。

その結果、筋肉が収縮したままになり、瞳孔の収縮、呼吸困難、痙攣などが生じます。

 

スポンサーリンク

コリンエステラーゼ阻害薬はすべて危ないのか

コリンエステラーゼ阻害薬は医学的にも使用されており、重症筋無力症やアルツハイマー病などの治療に使用されたり、殺虫剤に使用されたりしており、私たちの生活と切り離すことができない物質の一つであります。

 

可逆性に阻害(時間が経てば酵素の効果が復活する)ものや、サリンのように非可逆的に阻害(酵素の効果が復活しない)する2種類があります。

 

VXガスは非可逆的阻害剤であり、新しいコリンエステラーゼが合成されるまでアセチルコリンが分解できない状況になります。

 

新しいアセチルコリンが合成されるまでの正確な時間はわかりませんが、

DNA(遺伝子)→mRNA→たんぱく質→コリンエステラーゼという流れを取るため非常に時間がかかります。

少なくとも呼吸困難、痙攣が起きてからでは命を落とすまでの時間の方が短いでしょう。

VXガスやサリンの致死性が高いひとつにこの理由が挙げられます。

 

VXガスの致死量は?

VXガスの致死量以上を浴びると、15分以内に亡くなるとされています。

70Kgの人間の場合、10mg以下のVXが1分程度皮膚に付いただけで半数がなくなるとのデータがあります。

MSDS: Nerve Agent (VX)” (VXの物質情報内のEffects of Overexposureを参照)

 

非常に強い致死性の毒ということがわかります。

 

治療薬はあるのか。金正男氏を助けられなかったのか

VXガスはサリンと同様にかなり致死性の高い物質であり、暴露されたのちすぐに適切な治療を受けたとしても救命は困難であるとか。

治療薬は2種類あり、

  • PAM (プラリドキシム)
  • アトロピン

です。

致死量を浴びたのち、これらの薬剤をすぐに投与できるでしょうか。

PAMは専門的な病院には有りますが救急車や一般的な病院には通常は配置していないと思います。

アトロピンは一般的に配置されていますが、

サリンやVXガスのようなコリンエステラーゼ阻害薬の場合、治療するには圧倒的に量が足りません。

よって、VXガスが使われた場合、残念ながら救命は非常に困難であると考えます。

 

ですが、VXガスを使ったとされる容疑者二人はピンピンしてるんですよね。

ここまで致死性の高い毒であれば金正男氏だけでは無く暗殺者も命を落としていた可能性が出てきます。

はたして、真実は一体何が使われていたのでしょうか。

→追記 2017年2月24日 金正男氏よ顔や目の粘膜からVXガスの成分が検出されたとの報道がありました。

 

まとめ

「国家が人を暗殺した(疑い)」という事件が起きてしまいました。

日本の場合は「戦国時代かよ!」とも思います。

 

しかし、あの国にとっては現代が戦国時代なのかもしれません。

ミサイルを飛ばしたり核を準備したり。

自国が生き残るための国取り手法の一つですが、

もっと頭を使ってほしいものです。

 

非常に痛ましい暗殺事件です。

金正男氏の冥福をお祈りします。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事